鍼灸でみる【腰痛】〜東洋医学編〜

2024年02月06日 12:00
カテゴリ: 症状東洋医学痛み

こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!

あなたは腰が痛くなったことがありますか?
腰痛は一生涯で約8割の人が経験すると言われています。
二足歩行の人類は身体の構造上避けては通れない悩みですね😅
今回はそんな腰痛について東洋医学ではどう考えるのか話していきたいと思います!

腰痛の写真

腰痛とは?

ほとんどの腰痛の原因は腰椎の退行変性を基盤に、力学的負荷が加わって発症すると考えられています。
簡単にいうと歳をとって腰の骨が弱くなる、そこに無理な力が加わって起こることが多いということです。
最近では明らかな原因が見つからないものを非特異的腰痛と呼び、器質的な問題が見当たらない腰痛は心理的要因によるものと考える動きもあります。

東洋医学では腰は腎の府といわれ、腰と腎は密接な関係があると考えられています。

腰痛の病態

腰痛の病態でよくみられるのは次の3つになります。

①気滞血瘀
②腎虚
③筋傷

①滞りが痛みになる!気滞血瘀

気滞(気の滞り)や血瘀(血の滞り)が生じ、経絡が阻滞し腰痛が起こった状態。

・主な原因

⬜︎外傷(ケガ)など

・症状の特徴

⬜︎急性に発症
⬜︎痛みが強くなりやすい
⬜︎気滞の場合は、動かした時の痛みがひどく、ある範囲までは動かせるのですがそれ以上動かそうとすると強い痛みが出る
⬜︎血瘀の場合は、夜間痛が出るようになり、痛みは刺痛(鋭い痛み)や固定痛が出る など

※ギックリ腰はこれ!

②加齢による腰痛…腎虚

腎精が不足、腰を養うことができず腰痛が起こった状態。

・主な原因

⬜︎久病
⬜︎房事過多
⬜︎老化 など

・症状の特徴

⬜︎慢性的に経過
⬜︎痛みは我慢できるほどのはっきりしない痛み
⬜︎疲れると悪化
⬜︎耳鳴り・難聴を伴うこともある など

※歳をとって腰が弱くなると痛みが出てくる

③繰り返しの負担!筋傷

腰の気血が不足し、腰を滋養できず腰痛が起こった状態。

・主な原因

⬜︎スポーツや仕事で腰に繰り返し負荷がかかる など

・症状の特徴

⬜︎突っ張るような痛み
⬜︎だるい痛み
⬜︎普段は慢性的な痛みなので痛みの程度は強くない
⬜︎悪化すると血瘀になり痛みが強くなる など

※デスクワークでじっとしていることで腰が痛い人に多い

腰痛の施術方法

腰痛全般に使うツボ(基本穴)と病態別のツボを紹介します。

○基本施術

腰痛は気血の滞りか不足で起こりやすくなります。
そのため施術のメインは腰の気血の調整を行うことになります。
つらい部位を直接狙った腰の局所取穴では環跳、志室、腰眼などのツボを使い気血を調整します。
経絡の流れに沿った循経取穴では後溪、腰腿点、足臨泣などのツボに鍼をした状態で痛い動きをしてもらう運動鍼を行うことが多くあります。

腰痛のツボ

○病態別施術

上記のツボにそれぞれの病態に関連するツボを合わせていきます。

①気滞血瘀

気滞の場合は気をめぐらせる合谷や太衝などのツボを、血瘀の場合は血をめぐらせる三陰交や血海などのツボを合わせます。

②腎虚

腎精を補う腎兪や太渓などのツボを合わせます。

③筋傷

基本取穴で腰の経絡の流れを良くする、さらに気血に関係する太衝や三陰交などのツボを合わせると効果が高まります。

※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態やお話を聞いた内容によって変えていきます。

腰痛のセルフケア

腰痛のセルフケアを3つ紹介します。

①安静

ギックリ腰など急性腰痛の場合は2、3日はしっかり安静にすることが大切です。
これは鍼灸施術をした場合も同じで回復は早くなりますが急に良くなるわけではありません、しっかりと休みましょう。

②バランスの取れた食事と十分な睡眠

生まれた後に腎精を増やすには食事と睡眠しかありません。
ここが乱れている場合はまずは改善していきましょう。

③運動療法

スポーツやデスクワークなどで腰痛が出やすい場合はストレッチや適度な運動で筋肉の柔軟性を高めることで痛みが出づらくなります。

いかがだったでしょうか?
ギックリ腰のような急性の腰痛からスポーツや仕事での負荷、年齢を重ねることで出てくる慢性のものまで腰痛には様々な原因があります。
まずは一度、鍼灸施術をお試しください😊

りゅうしん堂 大西

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年

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