鍼灸でみる【痒み・肌荒れ】〜東洋医学編〜

2024年04月30日 12:00

こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!

痛みで悩んでいる人もいますが、実は痒みで悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
痒みって我慢するのもつらいですし、ついつい掻いてしまうと皮膚が傷付いて大変ですよね😓
また肌荒れは健康面だけでないく、美容面でも気になるところです。
今回はそんな痒み・肌荒れについて東洋医学ではどう考えているのか見てみたいと思います。

腕が痒い写真

痒み・肌荒れとは?

痒みとは引っ掻きたくなるような不快な感覚であり、肌荒れとは皮膚表面から滑らかさが失われてかさつきなどのトラブルが現れる状態のことを言います。

東洋医学では皮膚は血や津液によって養われることで弾力や潤いを保っていると言われています。
また衛気という気が体表の防御に関わっており、衛気が弱ると肌荒れが起こりやすくなります。

痒み・肌荒れの病態

痒み・肌荒れでよくみられる病態は次の5つにます。

①風熱
②湿熱
③血熱
④気血両虚
⑤血虚風燥

①風邪と熱邪に影響される!風熱

風熱が皮膚に鬱積し発症。

・主な原因

⬜︎暑い環境に長くいる など

・症状の特徴

⬜︎突然起こる
⬜︎全身に痒みが出るが特に頭部や上半身に多い
⬜︎紅斑(皮膚が赤くなる)
⬜︎丘疹(皮膚のビツブツ)など

※暑い環境にいて急な発症は風邪と熱邪の影響!

②湿気と熱による痒み!湿熱

湿熱が皮膚に鬱積し発症。

・主な原因

⬜︎湿度が高く暑い環境に長くいる など

・症状の特徴

⬜︎限局性の痒みや肌荒れで特に下半身に多い
⬜︎水疱
⬜︎熱感や紅斑
⬜︎温めると悪化する など

※高温、高湿度の環境に長くいる人はこれかも…

③血に熱がこもり痒い!血熱

血が熱の影響を受け発症。

・主な原因

⬜︎飲食の乱れ(辛いのもや油物の偏食など)

・症状の特徴

⬜︎青壮年に多い
⬜︎夜に悪化する
⬜︎皮膚の熱感
⬜︎痛痒い
⬜︎掻くと爪の痕がもりあがる など

※身体の中に熱がこもっている!

④栄養不足と皮膚の防御力低下で起こる…気血両虚

衛気が不足することで皮膚の防御力が低下し発症。

・主な原因

⬜︎食事の乱れ(食事量が少ないなど)
⬜︎免疫の低下 など

・症状の特徴

⬜︎倦怠感や息切れ
⬜︎食欲不振
⬜︎動悸
⬜︎不眠 など

※栄養やエネルギーが足りなくなっている人に多い。

⑤血が不足し乾燥する…血虚風燥

血が不足し内風、内燥を生じ発症。

・主な原因

⬜︎食事の乱れ(食事量が少ないなど)
⬜︎メンタルの乱れ
⬜︎加齢 など

・症状の特徴

⬜︎痒みの部位は一定しない
⬜︎夜になると悪化
⬜︎慢性化しやすい
⬜︎感情によって痒みが悪化しやすい
⬜︎乾燥、落屑(白く細かいカサブタがボロボロ剥がれ落ちる)が出現 など

※高齢の方で皮膚がカサカサしている方は可能性が高め。

痒み・肌荒れの施術方法

痒みや肌荒れ全般に使うツボ(基本穴)と病態別のツボを紹介します。

○基本施術

痒み・肌荒れの施術には去風、清熱で止痒効果がある曲池を使っていきます。

曲池の図

○病態別施術

上記のツボにそれぞれの病態に関連するツボを合わせていきます。

①風熱

曲池に合わせて去風、清熱を強めるため、外関や風池などを加えます。

②湿熱

曲池に合わせて湿を取るため、陰陵泉や三焦兪などを使います。

③血熱

曲池に合わせて血の熱を取るため、三陰交、血海、膈兪などを追加します。

④気血両虚

曲池に合わせて気血を補うため、足三里、三陰交などを加えます。

⑤血虚風燥

曲池に合わせて血を補うため、三陰交、血海、膈兪などを使います。

※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態やお話を聞いた内容によって変えていきます。

痒み・肌荒れのセルフケア

痒み・肌荒れのセルフケアを3つ紹介します。

①刺激の少ない衣服を選ぶ

綿やウールなどの天然素材の衣服が通気性がよくおすすめです。
外の環境に合わせて衣服を選びましょう。

②食べ物の偏食を避ける

飲食の乱れや栄養不足でも痒みや肌荒れが起こります。
また辛いものの食べ過ぎなどは身体に熱がこもりやすいため気をつけましょう。

③生活リズムを整える

睡眠不足などでも身体の潤いが減少するため、生活のリズムを整えることも大切です。
またストレスを溜めないようにすることも重要です。

いかがだったでしょうか?
痒みや肌荒れは日々のケアや生活習慣が大切になってきます。
ただ自分だけで全てを行うのは大変だと思います。
皮膚へのケアの一つとして鍼灸施術はいかがでしょうか?
痒みや肌荒れは今回ご紹介した原因以外で起こるものもあります、まずは一度お試しください😊

りゅうしん堂 大西

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年

疑問やご質問がありましたらお気軽にご連絡ください😊
公式LINEで質問受付中!

友だち追加

▼アクセス▼

ホームページランキング参加中
記事一覧を見る