鍼灸でみる【むくみ】

2024年08月16日 14:00

こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!

デスクワークが長かった日には帰ってくると足がむくんでいる、とういことを経験したことがある人も多いのではないでしょうか?
また病気や老化などの影響でむくみが起こることもあります。
今回はそんなむくみを東洋医学的にはどうみるのかみてみたいと思います。

むくみ

むくみとは?

漢字では浮腫と書きます。
身体の中の組織と組織の間(間質)に過剰な水分が貯留した状態です。
臨床的には急性に発症するものと慢性に発症するもの、全身に出るものと局所に出るものがあります。
東洋医学では水腫とも言われ、体内の正常な水分(津液)がめぐらず痰湿となり、さまざまなところで停滞することで起こると言われています。
津液のめぐりには肺の宣発・粛降機能、脾の運化機能、腎の主水機能、津液の通路である三焦などが関係しています。

むくみの病態

むくみの病態でよくみられるのは次の5つになります。

①風寒犯肺
②風熱犯肺
③脾虚湿盛
④脾陽虚
⑤腎陽虚

①風寒犯肺

悪寒が強いカゼを引いてむくむ!

風邪、寒邪が身体に侵襲することで肺の宣発・粛降機能とそれに伴う通調水道機能が失調し発症します。
通調水道機能とは津液を全身に輸送する機能のことで、ここが失調するため目の周りからむくみ全身へと広がっていきます。
また風邪、寒邪が身体に侵襲した状態はカゼを引いた状態のため、強い悪寒や発熱、咳、鼻水、喉の違和感、頭痛なども起こってきます。

②風熱犯肺

熱が強いカゼを引いてむくむ!

風邪、熱邪が身体に侵襲することで肺の宣発・粛降機能とそれに伴う通調水道機能が失調し発症します。
基本は風寒犯肺と同じですが悪寒より発熱が強く、鼻水は黄色、喉は赤く腫れ痛みが出ることが多くなります。

③脾虚湿盛

胃腸が弱りむくむ…

脾の運化機能の失調によりむくみが発症します。
胃腸が弱り津液をさばくことができずに停滞するため全身のむくみが慢性的に起こります。
特に腹部や下肢に目立ち、腹部のつかえ感なども出てきます。
また腹部に痰湿が溜まっているため喉は乾くのに水は多く飲めず、食欲不振なども起こりやすくなります。

④脾陽虚

お腹が冷えてむくむ…

脾が弱り温める力が低下し発症します。
腹部や四肢が冷え、下半身にむくみが起こります。
特に下肢に目立ち指で押すと凹みなかなか戻らないのが特徴です。
冷えの影響で腹痛や食欲不振、軟便や排尿回数の減少なども出てきます。

⑤腎陽虚

高齢者で起こりやすいむくみ!?

腎陽(腎を温め動かす力)が不足し腎の主水機能が失調することで発症します。
下半身にむくむが出てきますが上半身や顔へと広がっていくことがあります。
寒がりであったり四肢の冷えを感じやすく、腰痛や足腰のだるさを訴えやすい特徴があります。

むくみの施術方法

○基本施術

むくみは津液の代謝が失調し、痰湿が停滞して起こるため津液の通路である三焦に関係する三焦兪、委陽、脾に関係する陰陵泉、三陰交などのツボを使います。

むくみのツボ

○病態別施術

上記のツボにそれぞれの病態に関連するツボを合わせていきます。

①風寒犯肺

カゼを引き肺の機能が失調しているため列欠、尺沢、肺兪など肺に関係するツボや目の周りなど顔に効果がある合谷を合わせます。
お灸などで施術することで冷えを取っていきます。

②風熱犯肺

カゼを引き肺の機能が失調しているため列欠、尺沢、肺兪など肺に関係するツボや目の周りなど顔に効果がある合谷を合わせます。
さらに曲池などを合わせることで熱を取っていきます。

③脾虚湿盛

足三里や脾兪など脾に関係するツボをさらに合わせることで弱った脾を強めていきます。

④脾陽虚

足三里や脾兪など脾に関係するツボやお腹にお灸をすることで冷えを取っていきます。

⑤腎陽虚

太渓や腎兪など腎に関係するツボに鍼やお灸をすることで腎を強め改善していきます。

むくみのセルフケア

○水分、塩分の摂りすぎに注意する

日々の飲水量が多い人はここを気をつけるだけでもむくみずらくなります。
また塩分の摂取量が多いと必然的に水分摂取を多くなってしまうため合わせて意識しましょう。

○運動習慣を身につける

運動し筋力がつくことで下肢の筋ポンプの作用が改善しむくみずらくなります。
デスクワークで座っていることが多い人や高齢者でむくみやすい方におすすめです。

○身体を冷やさないようにする

腹部や下肢が冷えることで脾や腎の機能が低下しむくみやすくなります。
身体を冷やさないように気をつけましょう。

セルフケアって言われてみればどれも当たり前のことばかりですよね。
でもその当たり前のことが大切で、そしてなかなか出来ていないところだったりします😅
ひとりで頑張るのは大変です。ぜひりゅうしん堂をお頼りください!

いかがだったでしょうか?
東洋医学ではむくみをどうみるのか参考になりましたでしょうか?
むくみは日々の生活でも出やすい症状ですが病気などでも起こることがあります。
普段と違うむくみが出た場合には病院でみてもらいましょう。

りゅうしん堂 大西

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年

疑問やご質問がありましたらお気軽にご連絡ください😊
公式LINEで質問受付中!

友だち追加

▼アクセス▼

記事一覧を見る