大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
便秘をどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。
便が大腸内に停滞し排便回数や排便量が減少した状態、または直腸内の便をスムーズに排出できない状態のことを言います。
一説には日本人の15%は便秘だと言われています。
東洋医学では大便秘結と呼ばれ臓腑では大腸と関連が深くあります。
腸の運動が弱まると便秘になり、運動が異常に亢進すると下痢になります。
ラットを対象にした研究では足三里(足のツボ)へ鍼通電刺激を行うと腸の動きが促進されることがわかっています。
一方、腸の動きを異常に亢進させた状態のラットの足三里に鍼通電刺激を行うと腸の動きを抑制する効果があることがわかっています。
面白いことに同じツボに同じ刺激をしても状態の違いで作用が真逆になり便秘でも下痢でも改善に向かう働きがみられます。
この効果は副交感神経が関与していると考えられています。
内関(手のツボ)と足三里、合谷(手のツボ)と足三里の組み合わせで鍼通電を行うと腸の知覚閾値が上昇、つまり過敏になっていた腸を落ち着かせると報告があります。
便秘では次の4タイプがよくみられます。
熱で胃腸の津液(水分)が損傷し乾燥するため便秘が起こるタイプ。
✅乾燥便
✅尿は濃黄色で量が少なくなる
✅口渇や口臭がある
✅顔が赤い
などの特徴があります。
辛いものの食べすぎなどで起こりやすくなります。
気のめぐりの失調やメンタルの失調で、胃や大腸の気の動きが悪くなり便秘が起こるタイプ。
✅便は硬く乾燥している
✅出てもスッキリしない
✅ゲップが出やすくお腹が張る
などの特徴があります。
長時間同じ姿勢で動かない、ストレスなどで起こりやすくなります。
デスクワークが長い人は気をつけてください。
気虚は胃腸が弱り、便を出す力が低下して便秘が起こるタイプ。
血虚は胃腸を栄養し、潤す血が不足することで便秘が起こるタイプ。
✅気虚では便ははじめは硬く後に緩くなることが多い
✅排便力が弱く力を込めてもスムーズに排便できない
✅疲労や倦怠感、息切れが出る
✅血虚では便は硬くコロコロした便になることが多い
✅めまいが出る
などの特徴があります。
胃腸が弱い人、病気などで体力を消耗または出産などで血を消耗することで起こりやすくなります。
同じ虚秘でも気虚か血虚かで症状が変わります。
気の身体を温める作用が失調し、大腸の機能が低下することで便秘が起こるタイプ。
✅便は出づらいですが便自体は緩い
✅お腹や手足の冷えがある
などの特徴があります。
生ものや冷たいものの摂りすぎでお腹を冷やすことで起こりやすくなります。
身体が冷えやすい女性や高齢者に多くなります。
便秘全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別に使うツボがあります。
天枢+上巨虚
大腸を通し通便させるツボの組み合わせといわれています。
便秘なので便を出すツボが基本になります。
内庭、曲池など。
→胃腸の熱をとる。
太衝、内関、肝兪など。
→気をめぐらす。
気虚:足三里、陰陵泉など。
血虚:三陰交太渓など。
→気を補う、血を補う。
関元、腎兪など。
→冷えをとる。
※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。
飲食の乱れがあると胃腸に負担がかかり便秘になりやすくなります。
また辛いものの偏食は熱が溜まりやすくなるので気をつけましょう。
気が滞ると便秘になるため軽い運動を行うと良いでしょう。
ストレス発散にもなり一石二鳥です。
胃腸は陽気(温かさ)があることで正常に機能します。
カイロなどでお腹を温めてあげましょう。
参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年
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