大田区大森・山王の鍼灸院、りゅうしん堂では
むくみをどうみるのか
東洋医学と西洋医学の視点を織り交ぜながら
ご紹介します。

むくみ

むくみとは?



むくみとは医学的には浮腫(ふしゅ)とも呼ばれ、皮膚の下(皮下組織)に余分な水分が異常にたまっている状態のことをいいます。

むくんでいる足

私たちの身体は約60%が水分でできており、血管と組織の間を行き来しながらバランスを保っています。
このバランスが崩れることでむくみが起こります。

原因としては次の様なものが考えられます。

①長時間の同じ姿勢

仕事で座っている時間が長い、立ちっぱなしなどの状態が続くと、ふくらはぎの筋肉があまり動かず静脈を心臓へ戻す働きが低下します(筋ポンプの作用が低下)
特に下半身にむくみを感じやすくなります。

②塩分のとりすぎ

むくみやすさは水分量だけでなく塩分の量も影響してきます。
塩分を多くとり、濃度が増すとバランスを取ろうとして水分も溜まりやすくなります。

③ホルモンの変化(月経周期など)

ホルモンの変化は血管から組織への水分移動(血管透過性)に影響してきます。
特に月経前にむくみを感じやすくなります。

④自律神経の乱れ(疲労・睡眠不足など)

疲労や睡眠不足によって自律神経が乱れると、身体の水分の分布バランスにも影響してきます。

⑤病気によるもの

心臓や腎臓、またはリンパ系などの病気によっても、むくみが起こることがあります。

むくみに対する鍼灸施術のメカニズム

むくみに対する鍼灸施術の研究はいくつかありますが、病気によるむくみに対してなど状況が限定されているものであり、日常的にあるむくみの質の高いエビデンスはまだ十分ではないのが現状です。
そんな中、鍼灸の効果からむくみに対するメカニズムには次のような作用が考えられています。

①ふくらはぎの筋ポンプへの作用

鍼灸施術行うことでふくらはぎの筋緊張や痛みを改善すると、ふくらはぎの筋肉の活動量が増えます。
すると、筋ポンプの働きも良くなり静脈の流れがスムーズになることでむくみづらくなります。

②血流の調節

鍼刺激を行うと刺した部位周辺の血流が改善することが研究で知られています。
血流が改善することでむくみの程度も軽くなります。

③月経前症候群(PMS)に対する作用

鍼灸施術では直接、女性ホルモンの量を変化させることはできないといわれていますが、鍼灸施術を行うことでホルモンの変化で起こるむくみ症状などは緩和できると考えられています。
詳しくは月経前症候群(PMS)についてのページに記載しています。

④自律神経のバランスを整える

鍼刺激を行うと末梢の感覚神経を介して自律神経の活動に影響を与えると考えられています。
自律神経は血管や循環機能にも関与しており、むくみへの効果が期待できます。

東洋医学でみるむくみ

東洋医学でむくみは水腫(すいしゅ)ともいわれ、体内の正常な水分(津液)がめぐらず痰湿(たんしつ)となり、さまざまなところで停滞することで不調が起こるといわれています。

津液のめぐりには肺の宣発・粛降機能、脾の運化機能、腎の主水機能、津液の通路である三焦などが関係しており、このどこかに異常があるとむくみが起こりやすくなります。

津液のめぐり

むくみの5タイプ

東洋医学でよくみられるむくみには次の5タイプがあります。

①風寒犯肺(ふうかんはんはい)タイプ

風邪、寒邪が身体に侵襲することで肺の宣発・粛降機能と通調水道機能が失調し、むくみが起こるタイプ。

✅目の周りからむくみやすい
✅全身がむくむ
✅強い悪寒を感じる
✅発熱や鼻水、せきなどカゼ症状がある

などの特徴があります。

悪寒が強いカゼを引いたときに起こりやすくなります。

②風熱犯肺(ふうねつはんはい)タイプ

風邪、熱邪が身体に侵襲することで肺の宣発・粛降機能と通調水道機能が失調し、むくみが起こるタイプ。

✅目の周りからむくみやすい
✅全身がむくむ
✅悪寒よりも発熱が強い
✅鼻水は黄色く喉は腫れやすい

などの特徴があります。

熱が強いカゼを引いたときに起こりやすくなります。

③脾虚湿盛(ひきょしっせい)タイプ

脾の運化機能の失調し、胃腸でうまく水分を吸収できずむくみが起こるタイプ。

✅慢性的になりやすい
✅お腹や足に出やすい
✅のどは渇くのにあまり水が飲めない
✅食欲不振になりやすい

などの特徴があります。

胃腸弱い人によくみられます。

④脾陽虚(ひようきょ)タイプ

脾が弱ることで温める力が低下しむくみが起こるタイプ。

✅下半身がむくみやすい
✅お腹や手足が冷える
✅食欲不振になりやすい
✅軟便になりやすい

などの特徴があります。

お腹が冷えやすい人によくみられます。

⑤腎陽虚(じんようきょ)タイプ

腎陽(腎を温め動かす力)が不足、腎の主水機能が失調することでむくみが起こるタイプ。

✅下半身がむくみやすい
✅むくみは上半身や顔まで広がることがある
✅手足が冷えやすい
✅足や腰のだるさを感じる

などの特徴があります。

高齢の方にみられることが多くなります。

むくみのツボ

むくみ全般に使うツボ(基本のツボ)とタイプ別のツボをご紹介します。

○基本のツボ

三焦兪、委陽など。
→むくみとは津液の代謝がうまくめぐっていない状態であるため、津液の通路である三焦に関係するツボを使います。

陰陵泉、三陰交など。
→津液の吸収に関わる脾に関係するツボも有効。

三焦兪、委陽、陰陵泉、三陰交のツボ

○タイプ別のツボ

上記のツボにそれぞれのタイプに関連するツボを合わせていきます。

①風寒犯肺タイプ

列欠、尺沢、肺兪など。
→カゼを引き肺の機能が失調しているため肺に関係するツボを合わせる。
お灸もおすすめ

②風熱犯肺タイプ

列欠、尺沢、肺兪など。
→カゼを引き肺の機能が失調しているため肺に関係するツボを合わせる。
曲池など。
→熱を取る。

②湿熱タイプ

曲池、内庭など。
→痰湿と合わせて熱をとる。

③脾虚湿盛タイプ

足三里、陰陵泉など。
→弱った脾を強める。

④脾陽虚タイプ

足三里、お腹のお灸など。
→胃腸の冷えを取る。

⑤腎陽虚タイプ

太渓、腎兪など。
→腎を強める。


※使うツボはあくまで一例であり患者さんそれぞれの状態によって変えていきます。

むくみのセルフケア

むくみのセルフケアを3つご紹介します。

①水分、塩分の摂りすぎに注意する

日々の飲水量が多い人はここを気をつけるだけでもむくみずらくなります。
また、塩分の摂取量が多いと必然的に水分摂取が多くなってしまうため合わせて注意しましょう。

②運動習慣を身につける

運動し筋力がつくことで下肢の筋ポンプの作用が改善しむくみずらくなります。
デスクワークで座っていることが多い人や高齢者でむくみやすい方におすすめです。

③身体を冷やさないようにする

腹部や下肢が冷えることで脾や腎の機能が低下しむくみやすくなります。
身体を冷やさないように気をつけましょう。

むくみは日々の生活で出やすい症状のひとつです。
こういった病気ではないけど気になる症状には東洋医学の考え方は合っています。
ぜひご活用ください。

⚠️病気が原因のむくみはまずは病院へ

病気が原因で起こるむくみも存在します。
普段と違うむくみが出る、程度が強い、なかなかなくならないなど違和感を感じたときは病院でみてもらうことをおすすめしています。

参考:教科書検討小委員会著『新版 東洋医学臨床論』南江堂、2022年
川喜田健司、矢野忠著『鍼灸臨床最新科学』医歯薬出版株式会社、2014年

ご予約はネット予約がおすすめです!

24時間受付中

完全予約制

受付時間月火水木金土日
10:00~20:00 ○○○○○○○

不定休

※ご予約はネット予約がオススメです。
※ご質問はLINEやメールで受け付けています。
※電話は施術中、留守番電話になっております。メッセージを残していただければ後ほど折り返しご連絡いたします。